間質性肺炎など呼吸器疾患で障害年金はもらえる?動脈血ガス分析値でみる認定基準を社労士が解説


結論

間質性肺炎など呼吸器疾患は、「動脈血ガス分析値」と「予測肺活量1秒率」という検査数値が審査の重要な材料になります。常時(24時間)の在宅酸素療法を行っている場合は、検査数値にかかわらず原則3級以上に該当します。


1
呼吸器疾患による障害とは?

障害認定基準では、「呼吸不全とは、原因のいかんを問わず、動脈血ガス分析値、特に動脈血O2分圧と動脈血CO2分圧が異常で、そのために生体が正常な機能を営み得なくなった状態」と定義されています(出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第10節 呼吸器疾患による障害)。間質性肺炎のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症、じん肺なども同じ基準の対象です。


2
データで見る認定基準:2つの検査値と等級の関係

等級は「検査成績」と「日常生活の状態(一般状態区分表)」の組み合わせによって総合的に判断されます。

動脈血ガス分析値
動脈血O2分圧/CO2分圧
+
予測肺活量1秒率
呼吸機能検査の指標
▼

総合的に等級を判定(1〜3級)
一般状態区分表(日常生活の制限の程度)とあわせて判断

1級は「長期にわたり安静を必要とする病状で日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度」、2級は「日常生活が著しい制限を受けるか、これに著しい制限を加えることを必要とする程度」、3級は「労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度」とされています(出典:同基準)。


3
在宅酸素療法(HOT)施行中の取り扱い

💡 ポイント常時(24時間)の在宅酸素療法を行っており、軽易な労働以外の労働に常に支障がある場合、原則として3級と認定されます。臨床症状や検査成績、日常生活状況によっては、さらに上位等級となることもあります。障害の程度を認定する時期は、在宅酸素療法を開始した日(初診日から1年6か月を超える場合を除く)です。

4
申請までの3ステップ

1

初診日の確認
症状で初めて受診した日と加入年金制度を確認

2

納付要件の確認
初診日の前日時点での保険料納付状況を確認

3

診断書・申立書
呼吸器疾患用の診断書に検査値・HOT状況を正確に記載


5
診断書作成時の注意点

診断書には可能な限り「これまでで最も悪かった時期」の検査成績を記載してもらうことが望まれます。それが難しい場合は、一番悪い時期の検査データを別途参考資料として添付する方法もあります。在宅酸素療法を行っている場合は、開始日・施行時間・酸素吸入量が正確に記載されているかも確認しましょう。


6
申請前チェックリスト

  • ✓
    初診日と、当時加入していた年金制度を確認できているか
  • ✓
    診断書に動脈血ガス分析値・予測肺活量1秒率が記載されているか確認したか
  • ✓
    症状が最も重かった時期の検査データを把握・準備できているか
  • ✓
    在宅酸素療法を行っている場合、開始日・施行時間が正確に記載されているか確認したか
  • ✓
    咳・息切れ等により日常生活・就労にどのような支障が出ているか具体的に説明できるか

7
よくある質問

Q
在宅酸素療法をしていなくても障害年金はもらえますか?

A
はい。在宅酸素療法を行っていない場合でも、動脈血ガス分析値や予測肺活量1秒率などの検査成績が一定の基準に該当すれば対象となる可能性があります。

Q
在宅酸素療法を始めたら、必ず何級かの認定を受けられますか?

A
常時のHOT施行中で軽易な労働以外の労働に常に支障がある場合は原則3級と認定される取り扱いですが、必ずしも保証されるものではありません。

Q
間質性肺炎以外の呼吸器疾患も同じ基準ですか?

A
COPDやじん肺、肺結核後遺症なども同じ基準の対象ですが、肺結核・じん肺・気管支喘息は一部特別な取り扱いが定められています。

Q
検査数値が良い日に測定されると不利になりますか?

A
最も悪かった時期の検査成績も参考資料として提出することで、実態を補足できる場合があります。
呼吸器疾患の障害年金の無料相談

▪
関連記事

出典
日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」第10節 呼吸器疾患による障害
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html
執筆者情報
橘憲一
橘憲一社会保険労務士
『障害年金のことで困っている方々の力になりたい』という想いから、障害年金特化型の当事務所を立ち上げました。
障害年金を受給できれば、ご自身やご家族の経済的な安定はもちろん、精神的な支えにも繋がるはずです。
もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。
そして、障害年金の受給へ向けて一緒に考えていきましょう!
皆様の人生が豊かなものになりますよう、全力でサポートさせて頂くことをお約束いたします。
ご相談のご予約
029-243-8855

受付時間:平日9:00~18:00
(夜間・土日祝は応相談)